研究

論文

  • Parafermionizing the Monster with Yamato Honda and Justin Kaidi, arXiv:2605.10902, JHEP ()

    京都の学会にてKaidiさんと雑談中,最近2次元理論の双対性に関する論文を書いたという話をしたところ,数年前にMonster CFTに関連して取り組もうとした話があったのを思い出したから一緒にやろうと声をかけてくれた.散在型の有限単純群の中で位数が最大の群をMonster群といい,その群が自己同型として作用するCFTをMonster CFTという.(その位数は約8×10538\times 10^{53}である!) Monster群の部分群のZ2\mathbb{Z}_2の中にgaugingでself-dualになるものがあり,そこからIsing型の非可逆対称性が作用していることも調べられていた.ところが一般に素数ppに対してZp\mathbb{Z}_pについてもself-dualなものがある事も知られていたためそこからより多くの非可逆対称性の存在が帰結できると期待でき,それを調べたのがこの論文.初めてMathematicaを使ってみたが機械音痴な自分が慣れるにはもう少し時間がかかりそうである.

  • Web of dualities on non-orientable surfaces with Keita Tsuji, arXiv:2601.09067, JHEP ()

    2次元bosonicな理論がZ2\mathbb{Z}_2対称性を持つ時に,gauging/fermionization等の操作が定義できて,それらの操作が理論の双対性をなすという話がよく知られていた.fermionizationにおいて重要なのはspin構造と一対一に対応するquadratic refinementとそこから定まるArf不変量というのがある点である.ところがpin−^-構造にも同様の対応物が知られてたので,向き付け不可能な場合に自然に拡張できるはずである.この話を立川さんに聞いて半年ほど経って今ならできるかもと思い調べてみると,その半年のうちに双対性を調べた論文が出ていたが,まだやれることは色々ありそうだということで,CFTに詳しい研究室の後輩の辻くんと取り組んでみたもの.具体的にはその操作たちのなす群構造の特定,SymTFTの構成,S1S^1上のヒルベルト空間のセクターの対応を計算した上で,具体例を添えた.図表の作成とか具体例の計算みたいな私の苦手とする部分を辻くんがほとんどやってくれて,頭が上がらない.初めての共著を投稿した記念に一緒に食べた柏二郎は格別だった.(辻くんのコメント)

  • Vanishing of the H3H^3 obstruction for time-reversal symmetry in (2+1)D abelian bosonic TQFTs, arXiv:2509.07368, JHEP ()

    エニオンのデータに対して時間反転作用を考える.その際,symmetry fractionalizationを定義するのに対する障害類が定まりH3H^3障害と呼ばれている.可換な場合,これが非自明になる例は知られていなかったが,まだその自明性は示されていなかった([1805.02738]についての立川さんのコメント 参照).今なら示せるかもしれないと半年越しに思い立ち取り組んでみたもの.10時間ほど机の上で唸り,とうとう諦めて帰宅している最中の自転車の上で一つ条件を使っていない事に気づき,なんとか日が昇る頃に示すことができた.後で見ると簡単な計算しかしていないが,物理的に大事ではあると思うのでまとめたもの.

  • Generalization of anomaly formula for time reversal symmetry in (2+1)D abelian bosonic TQFTs, arXiv:2508.04990, PTEP ()

    アトム型研究員制度でYITPに滞在した際に仲良くなった安藤さんとメールで議論している中で高次中心電荷について教えてもらう.高次中心電荷はカイラル中心電荷の一般化であり,可換な場合はgapped boundary を持つかの判定に使える不変量である.一方,時間反転対称性のある(2+1)次元系のアノマリーに関して,その分類に制限をかけるアノマリー公式が知られていたが,この公式はカイラル中心電荷を含んでいる.そこで可換でbosonicな場合にこの式全体を高次中心電荷を含むように拡張できないか考えてみたら思いの外うまくいき,n=1n=1としたら元のアノマリー公式が復元されるような拡張ができた.付随して現れるさまざまな構造も上手く拡張されており,重要な公式の,重要な量を含んだ一般化ということで,物理的意味は曖昧だがとりあえずまとめたもの.いかんせん物理的意味が良くわからないため査読でかなり詰められるかと思ったが,全くそんなことはなく,むしろ褒めすぎなくらい褒めてもらえて嬉しかった.

  • On dimensions of (2+1)D abelian bosonic topological systems on non-orientable manifolds, arXiv:2502.13532, PTEP ()

    時間反転対称な(2+1)次元のTQFTを考えた時,モジュラーテンソル圏から定まるある量が常に非負整数となることが知られており,その量はRP2\mathbb{RP}^2上のヒルベルト空間の次元と解釈されていた.ところがReshetikhin–Turaev TQFTは時間反転対称性がある場合(すなわち向き付け不可能多様体上で)厳密な構成がまだ知られていないため,本当にいつでも整数になるかはわからないという状況であった.そこでその整数性を可換かつbosonicな場合に代数的に示したのが主な結果である.本当はfermionicな場合までを立川さんと考えようとしていたがそこから先がなかなか難しかった.そこで,区切りがいいということで出してしまえという事になるが,「ここまでに私の寄与はないから一人で出しなさい」と言われその通りになった.自分としてはいろいろ議論に付き合ってもらったので狐につままれた気分であった.

学位論文

発表実績

主な講演

その他の口頭発表

  • RFCMP,オンライン,2026年6月,“Introduction to SymTFT and condensation defects via Z2\mathbb{Z}_2 gauge theory” (Draft) (録画)
  • RCS seminar,オンライン,2026年5月,“TQFT入門〜Chern–Simons理論から読み取るモジュラーテンソル圏の気持ち〜” (スライド)
  • RFCMP,オンライン,2025年10月,“Reshetikhin–Turaev TQFT with time-reversal symmetry” (Draft) (録画)
  • トポロジー新人セミナー2025,千葉,2025年8月,“Reshetikhin–Turaev不変量の向き付け不可能多様体への拡張”
  • 原子核三者若手 夏の学校2025,東京,2025年8月,“時間反転対称な位相的場の理論におけるヒルベルト空間の次元の考察” (スライド)
  • 理論物理学生セミナー,オンライン,2025年2月,“On dimensions of (2+1)D abelian bosonic topological systems on unoriented manifolds”

ポスター発表

受賞